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本を読む エラスティックリーダーシップ

読んだ本

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

 

読みたいと思ったきっかけ

入社数年が経ち、なんとなく役職もついてしまい、それに伴いリーダー的な仕事をする事が増加してしまった。先輩などからは「見て盗め」などと有用なアドバイスを頂くこともあるが、手近に常に私に最適な見本がいるわけでないし、そうじゃなくない?という違和感があり、世間の知見を取り入れる必要があるだろうと、リーダーシップ的な本を何冊か買ってみた。

まだリーダーシップ系の本の積読が何冊かあると考えるとダルいので、脳に直接ダウンロードしたい。

ちなみに私の職業や背景についてはあまり考えてはいけない。

 

読んだ結果

とても素晴らしいリーダーシップの本。きちんとした書評は、書名ググればはてなブックマークで読者撃墜マークが多数ついたものが見つかるため、それを読むといい。まともなほとんどの人間に於いて、このブログ記事で意味があるのはここまでだ。

もし暇であったりギガが余ってたりするならば、書名を検索欄に入れる前に下にスクロールしてほしい。

 

この本は基本的にIT業界の中でのリーダーシップの話を例に話が展開しているが、他業種でもたぶんまあまあ問題なく読めるし、理解し適用できる(例については知識がないと読みづらいかも)様な本となる。光り輝くリーダーから、しゃらくさいリーダーまで皆にオススメとまで個人的には言っていい感じがしている。

内容としては、チームのモード合わせてリーダーの形態を変化させる必要があり、チームのモードは刻々と変化するので、リーダーの振る舞いも合わせて変更がいる。リーダーはなるべくチームが自己組織化するようにリスクを取っていけ。と言った内容となっている。

 

序盤は著者が編み出したリーダーとしてのワザの考え方の話で、理論について誰もが訳知り顔になった所に、IT界の様々な立場のメンツ(その他業界の方からは馴染みがないキャラクターかもしれないが、並んでる名前の多くはパワーのある人間と考えていい。)の経験によるエッセイが始まるため、訳知り顔で終わることなく実際どう取り入れるべきかを考えながら、安心して読み進める事ができる。

また、いくつかのエッセイではチームが上手くいくケースであったり、いくつかの実際は上手くいってなかったことへの懺悔であるが、この本で実践すべきとされているワザをベースとした著者の突っ込みが入るため、読者もケーススタディ追体験する事ができる。エクササイズもついている。

 

多くの日本人がそうであるように、伝統的な方法で仕事を執り行う日本企業の労働者であり、ガラスの仮面を読んで培った演技力でリーダーを演じている私も、この本で示されるサバイバルモードでのリーダーを行った経験がある。

当時を思い出しながら、そこから抜け出せないリーダー自らがボトルネックとなった部分などは、あるある〜と共感的なんちゃらのように恥じいってしまった。当時の仲間には面目ない。

未経験者が読むのもいいが、経験者が自ら陶酔しながらやってきた、あるいは自ら陶酔しないとやってられなかった、「あの」炎上プロジェクト(あの…は各自記憶から引きずり出して欲しい。)を思い出しながら、あの時こうしていればどうだったんだろうとか、次回はこうしようという心持ちで読む方が、効果的に学習(後悔)出来るだろう。

 

ひとつ、この本では読者が全てのエッセイを読みきるために、最後のエッセイに達した時、一度冷静な視点を与えられることになる。そして何のためにこの本を手に取ったのか反芻し、冷えた頭でどうして行くかを再度自分で考える必要がある事を強く認識する。

 

最後に

よくある話だけれど、プロジェクトが始まる毎に契約による儀式により召喚された他社の新しいメンツでチームが組成されるため、自己組織化モードなど夢のまた夢となる。何もしなければ学習モードにすら片足突っ込めないままに、サバイバルモードをただサヴァイヴする事で終わりを迎えるだろう。(そのようなケースについてもエッセイで言及される。)

しかし、そのようなチームの問題は何処でも何時でも発生するが、エッセイで言及されるように皆いろいろ考えて問題を乗り越えようとする。私も乗り越えたいと考える一人だ。

 

このワザを取り入れチームを成長させるためには、多少のローカリゼーションが必要そうで、コミットメント言語はそのまま使うのは難しいかもしれない。意図を損ねない日本風の工夫がいると感じた。

 

常に自己進化が必要な日本のジャングルで生きていくには、智慧の結晶たる書籍から身近な部分を手始めに取り入れていく事が生存への第一歩だ。

 

以上